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年齢とともに知能の衰えを感じるということがあります。近頃忘れものが多いとか、新しいことがなかなか覚えられないとか、悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。そのような方に2種類の知能のお話をご紹介します。
知能の衰え
一般的に私たち知能は誕生とともに上昇を続け、成人するとともにその上昇はストップし、やがてゆっくりと下降していくと考えられています。それゆえ、上に書いたように年齢を重ねるとともに知能の衰えを感じ、「やはり歳をとったからできないことが増えてしまった」と考えます。しかし、キャッテルとホーンによれば、知能というのは2種類あり、流動性知能と結晶性知能とに分けることができるとしました。そして、たしかに流動性知能は成人になると徐々に低下していきますが、結晶性知能は逆にだんだんと上昇していくと考えました。
流動性知能
流動性知能とは、何らかの作業をすばやく正確に遂行するという能力をいいます。たとえば一定時間のうちに、ディスプレイに現れた図形と同じ図形を探して、手元の図形を指差すといった課題があるとします。流動性知能が高いほど、一定時間のうちに多くの図形を指差すことができます。また、間違って違う図形を指差すことは少なくなります。
結晶性知能
結晶性知能とは、文章を読んだり、人間関係を調整したりするような能力をいいます。つまり、それまでの経験の積み重ねによって少しずつ蓄積されていくような能力です。この結晶性知能は、歳を重ねるにつれ、徐々に向上していく知能であるといえます。
結晶性知能は流動性知能の衰えを補う
もうひとつ重要なことは、結晶性知能は流動性知能の衰えを補うという点です。たとえば1分間の間に文章をなるべく早く正確にタイプするという課題があったとします。このような課題はいかにも若い人の方が有利なような気がします。ところが、実際には若い人と中年くらいの人では成績にそれほど差がなかったりします。たしかに若い人はすばやくタイプをすることができるかもしれませんが、中年くらいの人は言語能力が優れていて、タイプすべき文章を早く把握することが可能なのです。その結果、パフォーマンスに差が現れないというわけです。
いかがでしたか?確かに知能の衰えを感じることはあるかもしれませんが、年齢とともに上昇していく知能もあり、決して悲観的になる必要はないと認識することは大切なことだと思います。
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