気質による影響は絶対なのか? 遺伝と環境の相互作用とは

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「気質」という言葉があります。

どちらかといえば生まれつきというニュアンスが含まれている言葉です。性格の生得的側面を指すようです。

たとえば「心配性」という性格の人は「生まれつきだから」と考え、自分の心配性の性格は変わらないだろうと考えるかもしれません。

 

生まれつきの性格はあるのか?

たしかに私たちの性格のある部分は親から受け継いでいるのかもしれません。生まれたばかりの赤ちゃんにも個性があるという研究もあります。

トマスとチェスの研究によれば、赤ちゃんは「扱いやすい子ども」「扱いにくい子ども」「エンジンがかかりにくい子ども」に分類することができるとしています。

 

環境との相互作用

一方で、トマスとチェスはこのような気質は、一生変わらないものではなく、環境の影響を受けて変化するとも述べています。たとえば「扱いにくい子ども」であっても、周囲の大人がとても我慢強く、またその子の個性をしっかり受け止めて接してくれるといった環境の中で育てば、適応的な人生を送ることが可能となります。逆に「扱いやすい子ども」が、周囲の大人から不適切な養育を受けるといった環境の中で過ごせば、さまざまな問題行動を引き起こすことに繋がるのです。

 

環境を選択する

とはいえ、子どもはなかなか自分で環境を選択することは難しいでしょう。しかし、われわれ大人は自ら考える力を持ち、環境を選択したり、環境を作り出すこともできます。

『家裁の人』というコミックから、少年院で過ごす少年のお話をご紹介します。

彼は少年院の中でいじめにあっていました。いつも身体の大きな別の少年に虐げられています。しかしあるときこの少年院を訪ねてきた裁判官に「君と花とは何が違う?」と問いかけられます。

 

 

少年は最初は馬鹿にされたと思い、裁判官に腹を立てますが、あとで冷静になって考え込み、ある行動をとります。

その結果、少年の境遇は変化し、しばらく経った後、また裁判官が少年院を訪ねたとき、その少年の表情は生き生きと輝いていました。

「置かれた場所で咲きなさい」という言葉がありますが、それはそのままでいればよいという意味ではなく、その場所で自ら環境に働きかけ、変化させなさいという意味だと思います。

 

May your heart and soul be peaceful!

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